出版社/著者からの内容紹介
「実力主義・成果評価主義」が導入され、セールスマンは「セールスという職業」に、揺るぎない「精神と技術」を確立しなければ淘汰される時代がやってきた。
そんな情け容赦ない時代を勝ち抜く精鋭営業部隊のつくり方・育て方をアドバイス。上司として、これからの時代を担うセールスマンたちを、本物に鍛え上げていただきたい。
抄録(「電子書店パピレス」より)
1「動の起点」を死守せよ
物事には、すべて原因があり結果がある。これを「因果律」と呼ぶ。セールス活動上のいかなる現象も、この因果律によって生じたものである。たとえば、ひと月の営業成果を生み出す原因は何か。それは一日一日の行動の蓄積である。一日一日の成果の原因は何か。それは一刻一刻の行動の蓄積である。
そして、その一日の行動の起点となるのが毎朝のスタートである。これを「動の起点」という。この朝のスタートの一瞬は、まさに一日の全活動を支配するキータイムであり、この部分の一カ月の蓄積が、その月の営業成果の集積となって表われているのである。
朝礼が終わる、鞄を持って機敏に席を立つ、そして「行ってきます!」と元気よく部屋を出る。この行動がとれる者、とれない者、まさに「この一瞬にその日の運命が決する」といっても過言ではない。「セールスマンの行動管理」の原点は、実にここある。なぜなら、セールスは「勢い」である。「勢い」がなければ幸運を呼び込む力に欠ける。その分、ライバルにチャンスを譲ることになる。機会損失も出る。遅れも招く。その遅れから焦りも出る。その焦りが販売活動を粗雑にする。
つまりは、その一歩の遅れがセールスを「困難化」してしまうのである。「因果の法則」によって、「勝てる」セールスを「負け」のセールスに変えてしまうのである。まさにこの部分こそ「リーダーの指揮」の原点であることを強調したい。「動の起点を死守せよ!」である。
朝礼のあと理由もなくグズグズとしている部下はいないか、出かける前にアタフタと準備している部下はいないか、特にその部分に目を配ってほしい。
「表」の五項目を参考に、急ぎ「動の起点」の固めに入っていただきたい。
「動の起点を死守する」五カ条
・朝一番の訪問先を必ず持たせよ!
・ミーティングは朝礼前にやれ!
・朝礼から惰性を追放せよ!
・朝礼後の10分間を注視せよ!
・すべての準備を前日中に完了せよ!
2「行動のタガ」を締めよ
あらゆる職業のうちで、セールスほど豪気な仕事はない――と思う。なぜ豪気かといえば、まず第一番目に、朝から夕方まで終日行動が自由である。いわゆる本人の裁量任せの仕事。第二番目に、セールスマンは自分の判断で何十万、何百万、時には何千万円もの取引を決定できる。これはすごい権限。第三番目に、会社の全財産ともいうべき「お客様」を一手に預かり、管理を一任されている。たとえ顧客を半減させても、たいていの場合「すみません」で許される。
こう考えてみると、セールスという仕事は豪気なだけでなく、当人の考え方ひとつで、どうにでもなる仕事。だからこの世界では、いつ何が起ころうとちっとも不思議ではないのである。もちろん、それなりの予防策は講じられていよう。しかし、その網の目をくぐって不測の事態はしばしば引き起こされる。ライバルに顧客を奪われたり代金が焦げ付いたり、二カ月も三カ月も売上げゼロが続いたり、売れるべきものが売れなかったり――。
こうした現象を、たびたび繰り返している営業課には共通する要因がいくつかある。
一つは「仕事のルール」が確立されていないこと、いま一つは「リーダーの指揮」が粗雑なことである。「仕事のルール」が確立されていないから、みんな自由奔放になる。「リーダーの指揮」が粗雑だから無責任な行動が多発する。この結果が毎月の成果に確実に表われてくるのである。
さて、あなたの営業課はどうだろうか。もし心当たりがあるとすれば、それはリーダーたるあなたの統率力がいままさに危機に瀕していることを意味する。大至急改善しなければならない。
改善に当たっては、上の五項目を指標とされたい。
「定時連絡」を確立する五カ条
1.1日3回の「定時連絡」を義務づけよ!
2.「定時連絡」の「受信態勢」を確立せよ!
3.「連絡内容」を標準化せよ!
4.もし怠ったときは、理由を問わず厳重注意せよ!
5.「強化月間」を設けて、定着させよ!
著者について
滋富 晋一(しげとみ しんいち)
株式会社 販売戦略研究所所長
SSIハンケン/顧問・専任講師
SSIハンケン視聴覚教育研究所所長
昭和7年、熊本県生まれ。戦後間もなくセールスの世界に身を投じ、以来、一貫してセールス活動に従事。昭和48年からJMI、NOMAなどの専任講師を務め、52年〈販売戦略研究所〉を設立。千葉県九十九里浜において〈意識革命特別合宿訓練〉などを定期開催中。
またVTR・テープ・CD教材を多数執筆・制作・発行。
このほか〈旧電電公社の民営化に伴う営業社員の育成〉〈全国石油スタンドの有料洗車化への啓蒙指導〉〈西部オールステート生命保険創立に伴う営業社員の育成〉をはじめ、多くの企業の社員教育に従事。
●主な著書
『セールスで成功する法』『セールス上手になる法』『プロの商談88の要訣』『セールスを面白く強くする法」など。このほか経済専門誌、大手企業の社内誌、週刊誌など執筆多数。
著書のうち、少年問題を扱った「ママあたしがチョンボしたのよ」は、日活で映画化され、昭和60年5月16日午後9時から、テレビ朝日の〈月曜ワイド劇場〉で放映され、高視聴率でパート3まで制作放映された〈出演者は大空眞弓、山本学、馬渕晴子、仲谷昇など〉。