出版社/著者からの内容紹介
「平成の再建請負人」高塚猛の決定版、ついに刊行です。
「再建に高塚あり」という異名を持つ著者。経営再建という目標に、「社員全員を一丸となって向かわせる」というその手腕こそ、著者の本髄です。
たとえば、福岡三点事業の大幅な赤字削減というのは、花壇に咲いたひとつの花、つまり「結果」です。その花を愛でるのではなく、その花を咲かせた土壌、つまりその「原因」に迫ったのが本書。まさに、著者の経営哲学、商売哲学のすべてが、ここにあります。
人の心を気持ちよくつかんで、上手に動かす。お客様の顔が見えにくくなっている現代だからこそ、「ビジネス」でなく、お客様の喜ぶ顔に命をかける「商売」に立ち返りたいもの。
何事も堅苦しいことを好まない、肩の力が抜けた柔軟な著者の姿勢は、商売人ならずとも、きっと多くの人にとって、生きるうえでのヒントとなるにちがいありません。
抄録(「電子書店パピレス」より)
1章 「経営再建の鬼」ではなく、「人たらしの鬼」
商売の原点には必ず、売り手と買い手という、人と人との接点がある。だから、商売とは、人の心を上手につかんで動かすことがなにより重要だというのが、私の一貫した考えである。
でも、人の心は「モノ」ではないから、こちらが「つかもう」とか「動かそう」としてうまく操れるものではない。だから、ここでいま一度、商売の原点に返る必要があるのだ。それは、タバコ屋でタバコをひとつ買うことを思い出してみればいい。生きのいい魚を選んでもらうときのことを考えてみればいい。
お客の顔が見えなくなってきているという時代だからこそ、この原風景を思い出してみてほしいと思うのだ。
高校を卒業したのちにリクルートに入社し、二十二歳で福岡営業所の所長に赴任してから、盛岡グランドホテルの経営立て直し、そして現在の福岡ダイエーホークスとホテル(シーホーク・ホテルアンドリゾート)の経営まで、私は、多くの経営の軌道修正の場面に立ち会ってきた。
そのためか、「企業再建の神様」「再建の鬼」などと、私のことを「企業再建に、あり」というふうに思ってくださる方もいるようだ。そのことはありがたいのだが、私は、一貫して思っていることがある。私が行っているのは、「企業再建」ではなく、「企業の軌道修正」である、☆ということだ。
「再建請負人」として盛岡や福岡に送り込まれたときに、私は現場の社員の方々に次のように申し上げた。
「あなた方はこれまで、もちろん正しい経営をされてきました。今までのあなた方のやり方が間違っているなんて私はまったく思っていないし、現に今までは、それで十分利益も出たし、そのやり方でよかったのです。でも、今、時代が変わってしまった。あなた方はなにも悪くない。しかし、赤字が続く以上、このままでは社員のためにも、お客様のためにも、そして地域経済のためにもよくない。だから、少しでも早く軌道修正して、経営を黒字体質に変える必要があります。そのために私は来たのです」
まったくもってダメな会社を立て直す「企業再建」とは根本的に違うのだ。今までのやり方を認めたうえで、時代の流れに合わなくなってしまった部分を、ちょっと軌道修正して、流れに沿うようにする。それが、私が日々悩みながらも必死に取り組んでいる「企業の軌道修正」である。
盛岡のグランドホテルを立て直し、福岡ダイエーホークスやホテルの赤字を減らすことができた理由はただひとつ、社員を「企業の軌道修正」という目標に、一丸となって向かわせることができたからではないかと思っている。
自分ひとりが努力するのは、どんなに頑張っても限界がある。だから、「社員に思いっきり努力してもらうためにはどうしたらいいか」を考えるのが、私の仕事だと思っている。
いかにして社員の心をつかみ、一人ひとりの力を最大限に発揮できる職場づくりをしていくか。まさに「商売魂」の腕のみせどころ☆と言えるかもしれない。
私のことを「再建の鬼」と思ってやってきた人は、まず私の風貌に驚くという。私は、鬼とは程遠い。楽しいことが大好きで、人を喜ばせることが何より心地いい。女性だって大好きだ。
「人たらし」と呼ばれることをほめ言葉と受け取り、この性格を上手に活かして、社員に二倍、三倍の働きをしてもらうことが、私の仕事なのだ。
*この続きは製品版でお楽しみください。
著者について
高塚 猛(こうつか たけし)
1947年東京都生まれ。1968年、アルバイトのつもりで入ったリクルートにそのまま入社。翌年、22歳で福岡営業所長に就き、一年後、売上高を前年比15倍とし、黒字化する。29歳のとき、再建不能といわれた盛岡グランドホテルの総支配人に就任。わずか一年で黒字に転換。1991年、同ホテルの代表取締役に就任。1999年、ダイエー中内功オーナーに見込まれ、大きな赤字を抱える福岡ドーム、シーホークホテル&リゾート、福岡ダイエーホークスの経営に携わる。78億の経常赤字をわずか一年半で3億円の経常赤字に圧縮。「平成の再建請負人」の異名を持つ。
著書は『会社再建3つの戦略』『自分と未来は変えられる』(以上かんき出版)、『高塚猛の実践「企業よみがえり学」講義』(財界研究所)など、多数。
成功法則その1 まず、真っ暗闇のどん底に膝をつき、地面の冷たさを知れ
成功法則その2 プールの水を「とりあえずおちょこで」汲み出しはじめられる人間になれ
成功法則その3 まずは「小さな欲」をとことん満たすことから始めよ
成功法則その4 「儲け方」でなく、お金の「使い方」を必死に考えよ
成功法則その5 とにかく「速さ」にこだわり、突風で勝負せよ
成功法則その6 小指の先ほども疑わないくらい信じきれる師匠をもて
成功法則その7 裸の自分をさらして、視線の奥のホンネを見抜け
成功法則その8 分かれ道では絶対に、「得しそう」でなく「楽しそう」を選べ