出版社/著者からの内容紹介
世界の国々には、古代から現代に至るまで、奇怪な出来事や不気味な現象が起こり、それらが物語として伝えられているものが数多くある。
いまも古城に燃えさかる怨念、漂流する幽霊船、歴史を超え呪い続ける王女のミイラ……。背筋も凍るような実話の数々が、あなたを世にも恐ろしい怪奇ゾーンへと引きずり込む!
抄録(「電子書店パピレス」より)
霊魂があばいた殺人事件
〈私の名はチャールズ。五年前、この家で殺されて埋められたのだ…。闇の中から亡霊は訴えた。人々が見守る中、霊との交信が続けられた…。〉
一八四七年一二月、フォックス氏の家族が、ニューヨーク州ロチェスターの西にあるハイズビュ村の貸家に引っ越したその日の夜中のことだった。「ドスン、ドスン……」、家の中に鈍い音が響いてくる。
「いやねえ、いったい、だれかしら」
目をさましたフォックス夫人が、天井を見上げてつぶやいた。
つぎにはだれかが廊下を走る音が響いた。その音はだんだん大きくなり、寝室のドアが突然開いた。
「助けて! だれかが冷たい手で私の顔をなでまわすの!」
一番下の娘のケイトだった。震える全身が、言葉よりもその恐怖を物語っていた。
隣で眠っていたフォックス氏も目ざめ、家じゅうをくまなく調べてみた。
しかし、どこにも怪しいものはひそんでいなかった。残る二人の娘、マーガレットとリーは、おとなしく眠っていた。
つぎの日の真夜中、フォックス夫妻は、またしても同じ音で目覚めた。
「ドスン、ドスン……」。何か重い物を置くような音、机を叩くような音、家具をガタガタと揺らすような音、階段を歩きまわるような音……。それらが毎日、きこえない日はなかった。
フォックス夫人は、ひたひたと迫る恐怖に思わず叫んだ。
「きっとポルターガイストよ!」
そのとき、窓ガラスがやさしくガタガタと揺れて返事をした。だれもが驚いているそのとき、ケイトが無邪気な顔で、「私の真似をしてみてよ、幽霊さん」と指を二回鳴らした。
つぎの瞬間、天井から二回、ドスン、ドスンと音が響いた。しだいに冷静さをとりもどしたフォックス夫妻は、幽霊に対して実験を試みた。
三人の子どもの年齢をたずねると、音の数で正確に答えをだした。さらに、夫妻の子どもの数を当て、驚いたことに、亡くした子どもが一人いることまで知っていた。
そんな不思議な現象が起こった四か月後、一八四八年四月二日の夜中、フォックス家には警官や学者、マスコミの人たちの顔がそろっていた。
フォックス氏が「今から幽霊と交信します」と語った。ざわめきが広がった。
フォックス氏が質問のアルファベットの文字と数字を読んでいき、その答えに当てはまる文字のところで幽霊に音をだしてもらうという試みをおこなおうとしていたのだ。
「あなたはいったい誰なのですか」フォックス夫人が闇に向かって質問した。
しばしの間、幽霊のだす音が響いた。音がやんだ。幽霊からのメッセージを書き取っていた夫人の顔が、歪んだ。
「私の名はチャールズ・ロスナ。五年前、この家で殺されて首を切られ、地下室に埋められた」
地下室を掘り起こしてみると、頭蓋骨が発見された。さらに一九〇四年になって、地下室の壁から白骨化した胴体が発見されたのだ。
著者について
青木 日出夫(あおき ひでお)
1936年、京都府生まれ。早稲田大学大学院英米文学研究科卒。アメリカ文学研究家。主な訳書にウィリアム・J・コーニッツ著『燃える警官』、ジョン・D・マクドナルド著『死のクロスワードパズル』、アーヴィング・ウォーレス著『UFOに関する極秘ファイルを入手した』、著書に『悪魔がつくった世界史』(小社刊)『世にも猟奇な物語』『世にも奇怪な人物』などがある。
まえがき
1 今夜、狙われるのは誰か――
歴史を超え、いまも古城に燃えさかる怨念
王女エミリーの復讐
エリザベート伯爵夫人の儀式
ソニー・ビーン一族
魔女狩りの呪い
妻にしかけた凄惨な実験
吸血ミイラ
処刑されたギランの怨念
ベルサイユの怪
2 怨念は鎮まることはないのか――
恨みを抱えてさまよう亡者たちの呪いと復讐
ある罪の報い
世にも怪奇な橋
アモン・ラーのミイラの呪い
死霊に憑かれたヨット
人殺しの雄牛の祟り
悪魔に魅入られた家
幽霊城
血のしたたる首飾り
処刑場の無数のヘビ
赤い汗を流す頭蓋骨
『青い鳥』の幽霊探し
【怪奇ロマン秘話(1)】
美しい古城にあらわれる幽霊
3 いったい何を訴えているのか――
夜ごと、あの世からの霊魂の叫びが聞こえる!
エドガー・アラン・ポーの謎
火だるまにされた318便
襲いかかる古代人
砂塵に消えた兵士
血に染められた家
殺人屋敷
姿なき襲撃者
海底の死者の行列
【怪奇ロマン秘話(2)】
幽霊船のミステリー
4 それは幻覚か、夢魔なのか――
世にも不可解な恐怖ゾーンにはまり込む…
空を飛ぶ夢
小説に惨殺された男
死後の世界
埋葬されたローザ
自分の墓碑名を読んだ男
映画スターの恐怖体験
少女ローダの悲劇
わななく館
消えたイギリス連隊
死んだ夫に連れ去られた女
死臭に満ちた船
死者からの手紙
【怪奇ロマン秘話(3)】
戦慄の吸血鬼伝説
5 魂はどこをただようのか――
いま、闇の中から甦った亡霊はあなたのすぐ傍に!
非業の死を遂げた大統領
ヒースロー空港の幽霊
ヒトラーの叫び
甦ったUボートの亡霊
わが子を手にかけた母
謎に包まれた屋敷
幽霊犬
不吉を招く老婆
【怪奇ロマン秘話(4)】
死者を甦らせるヴードゥの秘術
歴史の闇に隠された魔女伝説
残酷な魔女裁判
マンダラゴラの伝説
6 なぜ死神に魅入られたのか――
夫が、妻が…そして私が実は不気味な死霊だった!
死人の子を宿した女
しゃべらなかった男
吹雪の中にいたもう一人の自分
巨大な犬を連れた少女
呪われた墓
霊魂があばいた殺人事件
海底の人食い貝
死んだ姉になった妹