正反対の国オーストラリア

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著者:渡辺博
価格:¥ 630
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■ 内容紹介

出版社/著者からの内容紹介
 これは、オーストラリアへ渡った渡辺ファミリーの物語である。
 渡辺ファミリーのメンバーは、人間4人と人間のつもりでいるイヌのモンタ、合計4人と1匹。彼らの生活を通して、日本人が知らないオーストラリアを、笑い、楽しめる。オーストラリア現地からしかわからない旅の情報や、生活、人間そして社会が満載。ついでに外から見た日本の姿もきっとわかることだろう。


抄録(「電子書店パピレス」より)
 「いる、いる、アワビがいる!アワビだらけだ。皆、来て!こっちへ来て!」。
 私の声が上ずっているのは、私にもよくわかった。ちょっと恥ずかしい。
 ひとつの穴に、少なくとも1個のアワビが住んでいる。場合によっては2〜3個なのだ。アワビがこんなにもたくさん、一カ所に住んでいるとは、夢にも思っていなかった。周囲には人が大勢いるけれども、アワビの数は人の数よりもはるかに多い。これではアワビ取りではなく、アワビ拾いだ。
 アワビが取れるとは、期待していなかった私たちの武装は、全くなっていなかった。日本から持って来た小さいドライバーが1本、そして食事用のナイフを家族の数だけ持って来たのだ。それにアワビを入れる(奇蹟が起こったならば可能と考えていた)スーパーのビニール袋を、何枚か。アワビを岩からはがすのにはコツがいる。経験者は、私たちのドライバーよりも3〜4倍長いドライバー、それにアワビを入れるためのアミの袋を持って来ていた。ウエット・スーツで完全武装した人たちも大勢いた。でも、私たちよりも、もっとわけのわかっていない人たちもいたのだ。氷をつまみ上げる、両端にギザギザのついたU字型の金具!こんなものを持って来たからには、アワビは砂地に、はまぐりのようにコロコロと転がっている、と思っていたのだろう。
 アワビ取りの正解は、長いドライバーの先端をアワビと岩の間に刺し入れて、グイッとひきはがすというものだ。アワビは、筋肉の裏面全部を岩にはりつけているので、ちゃちなドライバーではすぐに折れてしまう。私たちがナイフを持って来た理由は、このアワビの筋肉を岩から切り離す、というアイディアがあったからだ。でも、こんなアイディアは、他の人たちの頭の中には浮かばなかったようだ。ナイフを持っている人は、他に誰もいなかった。周囲で取っている人たちの肌の色、それに話している言葉。それらの感じでは、アワビに興味を持っているのは、アジア系、それに地中海周辺の人たちのように思われた。
 立っていると水はひざまでだ。けれども、アワビをはがそうとしゃがんでいる時に波が来ると、首まで波に洗われてしまう。波に圧力があるのでけっこう危険だ。それに寒い。オーストラリア大陸の西海岸へ打ちよせる海流は、寒流なのだ。10〜11月の早朝に水に入ると、思ったよりも寒さが身にしみる。
 直は危険が大好きだ。テーマ・パークへ行っても、一番危険な乗り物に乗りたがる。それでこの海岸でも、アワビ取りよりも、波との格闘を楽しんでいる感じだ。治は直とは逆に、危険なのが嫌いだ。テーマ・パークでも、危険な乗り物は避けてしまう。この海岸でも、危険なアワビ取りよりも、もっと浅い場所で遊んでいるほうが好きなのだ。ということで、治は全くイージー・ゴーイングだった。ヴィオレッタは袋を持って、アワビをそれに入れる役目、総監督だ。ちょっといい服を着て来てしまった春枝さんは、なるべくぬれないようにと、つかず離れずだった。
 アワビをはがすコツがわかってからは、取れること取れること。余りにも取れすぎるので、たった30分でアワビ取りを切り上げてしまった。何個取れたかは秘密なのだ。この本を、漁業省の係官が見ていたら大変だから。矢田さんのことを書いてしまおう。矢田さんは、家族全員の分の免許証をもらってきた。毎週アワビ取りへ行って、解禁の期間中に、合計400個くらいアワビを取ったそうだ(この数は合法の範囲内......念のため)。
 家へ戻ってからのアワビ料理が、なかなか大変だった。何しろ数が多い。まず刺身だ。新鮮でこりこりとして、とてもおいしかった。次にアワビ・サラダだ。これもいけた。そしてバター焼き。ナイス!最後に、からがついたまましょうゆ味でバーベキューだ。ヴェリーグッド!でも最後には、皆いい加減ウンザリしてしまった。アワビ、アワビ、アワビ、アワビ責め。アワビのにおいが鼻につく。
 「モンタ、お前も食べるかい?」、というわけでモンタもパクパク。いくつもパクパク。春枝さんはビックリした。以前、日本でアワビを食べた時、1個3、000円も払ったのだ。イヌにアワビを食べさせるなんて、日本では億万長者にしかできない!(「10.アワビはモンタのえさ」より)


著者について
 渡辺 博(わたなべ ひろし)
 創作家/科学者。免疫学の分野で長い研究歴を持つ。日本、チェコ、オーストラリアの大学で研究を、アメリカ、ドイツの会社の研究開発部門で管理職を経験。
 自らのホームページ「InterWat Fun Site」で、一こまマンガ、ジョーク、小説を発表。国際的にも高い評価を受けてている。
 オーストラリア在住。
 「InterWat Fun Site」 http://www.h4.dion.ne.jp/~funsite/

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「正反対の国オーストラリア」紹介ページの最終更新日時
2005年10月24日 17:52:24
ID:1421
※実際の販売・ダウンロードは『電子書籍パピレス』にて行われます。