総力取材「いじめ」事件

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価格:¥ 483
毎日新聞社


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■ 内容紹介

出版社/著者からの内容紹介
 “多数がひとりをなぶり続け、その周辺に無言の支持者、無言の傍観者がいるという「日本的いじめ」。そのおぞましさを問い続けなければ日本は何をやってもダメな国になってしまうのではなかろうか? この本を多くの方々と考える材料の一つとしたい。(「まえがき」より)”
 記者たちが現場で考え抜いたいじめ撃退への道!
 自殺した大河内清輝君の周辺を客観的証言で“再現”。いかにも日本的な“いじめ事件”の核心を鮮烈に浮き彫りにする渾身のルポ!


抄録(「電子書店パピレス」より)
 十二月三日午後十一時過ぎ。PTA会長の記者会見が終わり、報道陣が引き揚げようとする東部中に、蒼ざめた祥晴さんが親族と乗り込んできた。祥晴さんがいじめに加わった生徒たちに書かせた「反省文」の一つに、学校への新たな怒りをかき立てられたのだった。
 「夏休みぐらいから、日曜日も遊ぶようになり、毎日っていうほど、(清輝君を)殴ったりしていた。夏休みに入ってから、先生に見つかり、ちょっとの間、いじめなくなり、ちょっとたってから、また、いじめるようになった」
 祥晴さんは、この反省文を居合わせた稲垣教頭の前で読み上げた。
 「これが本当なら、先生方は清輝がいじめられておったのを、知っていたんじゃないですか。そうでなければ、先生方は、どういうのをいじめと考えているんですか。ある母親には、こういうことを聞きました。やっぱり清輝のような(いじめられている)子がいて、自転車が壊されて、先生に言った。その後で体にだいぶぶったようなあざがあるもんで病院に行ったら、病院の先生に『これは転んだりした傷じゃない。蹴られたりした傷だ』と。母親は学校に行こうとしたけど、父親が『行ってもどうにもならへん』と言ったというんです。学校には言っても仕方がないと、そこまで思われとるんですよ。先生は殴ってるのも遊びに見えるんですか。そんなのを見れば、注意するのが先生でなくても人間でしょ。それともこの学校は、そんなのが多すぎて、麻痺してしまっているんですかね。……今まで自分を責めておったのが、バカらしいですよ」
 校長室に、祥晴さんの声が響いた。
 「いじめとして判断はされなかったんですね」
 稲垣教頭は「そういうことになります」と答えた。
 「反省文を見ると、いじめは認識されてたんじゃないんですか」
 「多分、そうです」
 「それが教頭先生まで上がらなかったということですか」
 「多分、そこで指導して、収まった、と」
 「その場で注意すれば収まると思っていたんですね」
 「そうです」
 「清輝がいじめていた十一人と同じグループに入ったとみていたんですか」
 「一緒に遊んでいる仲間と見ていました」

 途中から、連絡を受けた間宮校長も駆けつけた。
 「ある子の話では、清輝がひざまずいて数人に殴られていた時に先生が来て、『何をしてるんだ』と聞いたら、『僕たち遊んでるんです』と答えたもんで、先生はそのまま立ち去ったそうですよ。それらはいじめじゃないんですか」
 「その状況からして、いじめだと思いますが、先生もしっかり見とったはずなのに、子供たちがうまくとりつくろったんで、見逃したんでしょう。でも、本当に見ていたのなら……教員として、失格でしょう」。間宮校長の声は、うわずっていた。
 「清輝は、口では言えん恥ずかしいことを……みんなが見てる前で、犬みたいにはいずり回されてたらしい。やったグループの子たちの話を聞いても、そういうことをやっても、いじめだと思っていないんです。やっちゃいかんと思ってないんですよ」
 「……もう少しつっこんで調べようとする気持ちがなかったのは、残念です。すみません」
 間宮校長は、最後にそう言うと、唇をかんだ。

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「総力取材「いじめ」事件」紹介ページの最終更新日時
2005年10月24日 17:51:44
ID:412
※実際の販売・ダウンロードは『電子書籍パピレス』にて行われます。