出版社/著者からの内容紹介
英会話で失敗しないために、ぶっきらぼうな英語から“気づかいの英語”へ
きれいな発音よりも、文法的に正確に話すことよりももっと大切なこと=上手なものの頼み方、失礼にならないNOの言い方など、コミュニケーションを円滑にする丁寧表現のいろいろを、長年アメリカに住み、日本人英語の弱点を知りつくした著者が伝授する。
相手に不愉快な気持ちを持たせず、自分も誤解されない話し方、丁寧表現(ポライトネス・ストラテジー)を身につけよう。
抄録(「電子書店パピレス」より)
A: If you don't mind, I'd like you to spend an extra hour or two with me so that we can finish up this project.
(もしさしつかえなければ,僕といっしょにもうあと2,3時間残って,このプロジェクトを完成させないかい)
B: I'm sorry, but I have things to do tonight. I'm sorry.
(悪いね。ちょっと今晩,用があるんだよ。悪いね)
どうだろうか,この断り方は。文法の間違いもないし,ちゃんと丁寧にわびの言葉も入っている。それも,丁寧に2度もわびている。語尾をあいまいにしてしまう日本人が多いのだが,上の例ではしっかりと自分の気持ちを伝えているようだ。どこにも問題はないように見える。ところが,この断り方は日本人的な英語になっているのである。
ビービ等の研究によると,相手の願いごとを断る時,日本語あるいは日本人の話す英語とアメリカ人の英語とでは違いがあるそうだ。両方とも(1)わび(I'm sorry.[すみません]),(2)言い訳/理由(I have things to do tonight.[ちょっと今晩,用があるんです])という二段構造になっているのだが,アメリカ人の英語は,日本人の英語と違って,さらにもう1つの要素があるという。わびの前に,頼んだ人への同情あるいは肯定的な意見(empathy, positive opinion)をつける場合が多いという。I'm sorry の前に例えば,I wish I could stay to finish up.(残ってかたづけられたらいいんですけど)とか,I wish I could.(できたらいいんですけど)をつけて,断りの表現を始めるわけである。断る場合でも,まずは,相手の意向にそいたいという気持ちを言葉ではっきり表現するわけである。そうすることによって,断られるほうもすんなりと納得しやすくなるわけだ。
著者について
東照二(あずま しょうじ)
1956年 石川県生まれ。早稲田大学英文科卒業。
85年〜87年 ロータリー財団奨学生としてユタ大学大学院に留学。言語学修士号を受ける。
87年〜91年 テキサス大学オースチン校大学院にて言語学博士号を受ける。
現在、ユタ大学言語文学部助教授。専門は心理言語学、社会言語学。