ヨーロッパ古城の怪奇物語

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著者:井上宗和
価格:¥ 840
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■ 内容紹介

出版社/著者からの内容紹介
 歴史あるヨーロッパの古城には、数々のロマンや喜怒哀楽のドラマがあった。また、怨念・悲劇・陰謀・殺戮がうずまき、血で血を洗う舞台もあった。そして幽霊・妖怪などの怪奇物語が誕生し、あなたを魔界に誘う!


抄録(「電子書店パピレス」より)
 さて、少し前の話だが、このピエルフォン城を舞台にした「青ひげ八人目の奥方」という映画が作られ、実際にこの城で撮影された。ところが、この話はピエルフォンの城に伝わる恐ろしい話なのだ。
 いつのころか、この城に可愛いい奥方がやってきた。その名はミレーヌ、城主はフランソワ・ディストレ。彼の姉ガブリエールはときの国王の愛妾だったから、フランソワも大そう羽振がいい。ミレーヌが城に輿入れしてから一ケ月ほども過ぎたころから、毎夜のように恐ろしい夢を見るようになった。正に悪夢でうなされる。自分の声で目が覚める。目が覚めるのだが、ミレーヌはそれがまた夢だと判っている。場面は毎夜同じだ。地下室に通じる廊下から何者かが歩いてくる。衣ずれの音でそれが女だと判る。そしてその複数らしい女たちはミレーヌの寝室の前で止まる。何か呪いか恐ろしい言葉らしいもの音がして、かすかに扉をノックする気配である。ミレーヌは夢の中で身動きも出来ない。ベッドに金縛《かなしば》りになったようである。この夢が毎夜つづき、ミレーヌは段々と顔色が悪く、生気を失っていった。一つ間をおいた部屋に寝ている夫にこの話をしても、たまには悪い夢を見るだろう、とあまり相手にしてくれない。ミレーヌはいまは夢だが、いつかこの夢の中の女たちが自分の寝室に入ってくるのではないか、と信じるようになった。そして、遂に決心した。フランソワは王に会うためにパリに出かけた夜、ミレーヌは一晩中寝ないことにした。夢の中の出来事を確かめようと思った。──
 その夜は大嵐であった。城を取り巻く森の樹々が風に激しくゆれ動き、雨は窓のステンドグラスに吹きつけた。ところがその物音の中でも、衣ずれの音、呪いのような女声は聞こえたのである。扉をノックする音も現実に聞こえた。そして遂に七人の女たちが音もなく扉を通って部屋に入ってきた。幽鬼か亡霊のような女たちである。ミレーヌに女たちはついて来るように命じた。ミレーヌの体は女たちの思うように動く。城の廊下には雷鳴の音と光が満ちている。女たちに囲まれるようにして地下に降りて行った。一つの部屋の前で止まる。その部屋は常に扉が閉ざされ、夫から不吉の部屋だから決して入ってはならぬ、と命ぜられた所だった。地下室には七つの柩があった。中には七つの首のないミイラがあった。七人の女のミイラである。ミレーヌは失神した。


著者について
 井上 宗和(いのうえ むねかず)
 1924年愛媛県宇和島市に生まれる。日本大学卒業。
 写真家・ワインの研究家。財団法人日本城郭協会会長、日本国際ワイン協会代表世話人。
 著書に、『日本の城の謎』祥伝社、『船とワインと地中海と』TBSブリタニカ、『美食に関する11章』読売新聞社、『ワインの旅・美酒と美女の物語』角川書店、『世界の古城をたずねて』朝日新聞社、『城と城下町の旅情』日地出版、など124冊。

■ インデックス

―はじめに― 名城に幽霊と妖怪あり


フランスの古城 恐怖の旅路
 ロワールの名城シュノンソウの幽霊 ――夜な夜な白い王妃の亡霊が――
 アンボワーズ城に現われる亡霊 ――シャルル八世の亡霊と数多い幽鬼たち――
 シノン城に集う三〇〇人の魔女 ――その残酷な復讐劇――
 人を食う鬼畜たち 谷間の幽鬼 ――シャトー・ガイヤールの悲劇――
 ピエルフォン城 地下牢の戦慄 ――七人の奥方の首なしミイラ――
 はるばるとおとずれた幽鬼たち ――カルカソンヌの城壁をさまよう――
 ブルターニュ海岸にそびえる幽鬼の塔 ――フォル・ラ・ラッテの城に血を流す岩窟――
 マルセーユ港外の孤島 ――シャトー・デ・イフの白骨――


ドイツの古城 怪奇の旅路
 ノイシュバンシュタイン城 ――ルドウィック(ルードヴィヒ)二世の亡霊――
 いまも老人の像が町をさまよう古都 ――ハイデルベルクの城で私が逢った老人――
 ライン河の塔モイゼターム ――ねずみに食い殺された城主――
 マルクスブルクの城の怪異 ――拷問部屋の不気味な幽霊――
 フランケンシュタイン城の怪物 ――ヨーロッパを代表する怪物のふるさと――
 リヒテンシュタイン城 ――塔上に棲む殺人鬼――
 ドイツ名門貴族の城の妖怪 ――ホーエンツオレルン家にまつわる伝説――
 ドイツ屈指の名城と楽聖を生んだ町 ――華麗な歌合戦で消えた美姫と騎士――


イギリスの古城
 ロンドン塔ものがたり ――血塗られた城塞、その殺戮の歴史――
 ヒーバー城に現われる王妃の妖霊 ――女性の怨念が今に残る城郭――
 ケニルワース城の亡霊 ――フランス貴族とイギリス貴族の血の抗争――
 ハドリアヌスの長城 ――秋風吹く城壁にローマ兵の亡霊――
 カエルフリイ城の血の騎士 ――牢獄に現われる亡霊――
 エジンバラの城 血の殺戮 ――北国の王城に黒い呪い――
 キルチャン城の揺れ動く無人のロッキング・チェア――そばに不気味な白骨死体が…――
 ウルクハート城・ネス湖に棲む怪物 ――水もしたたる貴公子は?――


スペイン・ポルトガルの古城
 セゴビヤの城・アルカザール ――イスラムの宮殿に呪いの羽ばたき――
 城壁の町アビラに伝わる恐怖 ――血塗られたイメナ・プラサケサ――
 コカの城に現われた邪神 ――姫の鏡の中に見たものは――
 マンサナレス・エル・レアール城の怪奇 ――サンチラーナ湖の水の妖怪――
 アルハンブラの赤い城 ――今でも首のない怨霊がさまよう中庭の怪――
 テイジョ川の川中島に建つ古城 ――現代にもあった魚体生物の怪奇――
 ベジャーの城 ――女性の怨念? 『ポルトガルレター』の亡霊――
 シントラ・ペナの城 ――“モローの長城”を歩く骸骨たち――


イタリア・ギリシャの古城
 ソアベの城 ――叔父の仇討ち・恐怖の処刑塔――
 フェラーラ城 ――棲みついた亡霊 首吊りの部屋――
 スフォルツェスコ城に現われる男性 ――ニッコロ・マキュアベリの奇妙な幽霊――
 オステアの城 ――血まみれの騎士・亡霊の怨念――
 サンタアンゼロの城 ――現代にもあった異次元への抜け穴――
 シラクサの城・アルキメデスの亡霊 ――「ユーレカ・われ発見せり」――
 ミケネのアクロポリス ――アガメムノンの亡霊が歩く――


オランダ・ベルギー・デンマーク・スイス・オーストリアの古城
 マゥンデン城 ――海賊を撃退した人魚の王妃――
 ビヤゼルの城 ――ふくろうに魅入られた美貌の姫――
 エルシノアの城 ――『ハムレット』にまつわる亡霊の話――
 シヨンの城 ――地下牢に水漬けにされた騎士――
 エイグル城 ――姫の赤い血、白ワインの秘密――
 デュルンシュタイン城 ――二人のリチャード王の話――
 フォルヒテンシュタインの城 ――兄の亡霊が招く私の奇妙な体験――

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「ヨーロッパ古城の怪奇物語」紹介ページの最終更新日時
2005年10月24日 17:51:34
ID:111
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