出版社/著者からの内容紹介
異色若手お笑い芸人、ホーキング青山は五体不満足。しかしスピリットは常に前向きだ。車椅子で社会を平然と突き抜けていく姿は生きることの全てを伝えてくれる。
車椅子の芸人ホーキング青山が生きることを本気で語る毒舌録!
抄録(「電子書店パピレス」より)
中学生くらいになると、みんな思春期を迎えるでしょ。もちろん身障者だってそう。オレの通ってた養護学校に“足りない子”、つまり知恵遅れの子がいた。みんなも知ってるかもしれないけど、足りないヤツに限って妙にガタイが良かったり、ムダに走るのが速かったりするでしょ。ちょうどオレらの周りにそういう子がいて、彼が恋をしたわけ。それも初恋の相手にありがちな養護学校の女の先生に。毎日毎日四六時中「○○先生が好きなんだ」「好きなんだ」「好きなんだ」って、完全な恋煩いなわけ、もう。
オレらは恋で思いつめると、どちらかっていうと黙り込むでしょ。でも彼らは抑える力がないもんだから、悶々とした心の葛藤を、悶々と、そしてストレートに表現してくる。「ボクはどうしたらいいんだ、こんなに好きなのに、どうずれば……。どう伝えよう、でもどうしよう………」
と、ず〜っとやってる。ある意味すごく素直なんだろうけど。
こりゃどんな展開になるか、おもしろいもんだから、オレ、そいつに恋のアドバイスってのをしてあげた。
「あのな、女っていうのは強引な男にひかれるものなんだよ。だから、今度の授業が終わったら○○先生に抱きついてみろ」。そしたら彼、
「そうか、ありがとう。絶対やってみるから」
って、口から泡吹いて喜んでくれて。
「やった〜!」って、もう恋が成就したかのような騒ぎになっちゃった。オレは「しまった」と思ってたんだけど。
そして計画実行の日、運命の日がやってきた。授業が終わり、○○先生が教室を出ようとしてみんなに背を向けたその瞬間、彼が立ち上がって「○○先生!」って叫ぶと、本当にガバッと抱きついちゃったんだよね。
先生は突然のことにビックリして「キャー!」と悲鳴をあげ……るかと思ったらまったく平然としてパニクってる様子もなし。「あ〜、ハイハイ分かったわ。ちょっと待ってねぇ」って、彼、そのまま先生に連れていかれて、保健室で鎮静剤打たれたらしい。彼の恋は鎮静剤と保健室でジ・エンドとなってしまった。
生徒の初恋を鎮静剤で抑制するってのもすごいよな。発情期の獣じゃないんだから。こんなの人権保護団体に見つかったら大騒ぎだよ、きっと。
けど突然抱きつかれても、それをさも当たり前のように対処していく先生には恐れ入る。あなたはすごい!
著者について
ホーキング青山(ほーきんぐあおやま)
本名 青山 世多加(あおやま せだか)(両親の初デートでの思い出の曲がニール・セダカだった)
1973年12月7日、東京生まれ。先天性多発性関節拘縮症《せんてんせい・たはつせい・かんせつこうしゅくしょう》のため、生まれたときから両手両足は使えない。1994年6月大川興業・大川豊総裁にスカウトされ、大川興業の若手芸人コンテスト「すっとこどっこい」で、史上初の身体障害者のお笑い芸人「ホーキング青山」としてデビュー。1995年5月初の単独ライブ開催。1996年6月「言語道断――ホーキング青山自伝――」(情報センター出版局)出版、同年より、全国ライブツアー「ホーキング青山『言語道断』チャンピオン・カーニバル」を開催。現在、雑誌「裏モノJAPAN」(月刊)「ウィル」(隔月刊)に連載中。12月には、幻冬舎アウトロー文庫「七転八転」も出版される。
はじめに
第一章 見せ物小屋にようこそ
恐怖の調理実習
恋愛指南
in養護学校
叫べ! 性春
赤ペン先生とキン肉マン
身障が旅に出掛けたら
身障的ケンカ道!?
プール嫌いにゃ理由がある
こめかみ注射
うれし恐ろし運動会
交流という対抗戦?
ある講演会にて(1)
ある講演会にて(2)
ある講演会にて(3)
オレはお笑い芸人だっつうの!
オレにも愛で地球を救わせろ!
善意の人よ、汝、思い上がるなかれ
善意の人よ、放っといて
善意のお値段
第二章 ホーキング社会を斬る
バリアフリー
障害者の雇用
インターネット
ダイオキシン
カリスマ
言葉狩り
パラリンピック
男とは……
五体不満足
第三章 ホーキング青山言行録
第四章 ホーキングオリジナル電動車椅子改造計画
ビバ! いとしの電動車イス
大解剖!「ブルー・トルネード号」のすべて
あとがき